食の取り組み

Food initiatives

前田 恭江

栄養管理部からの一言

美瑛慈光会 栄養管理部 部長 前田恭江

美瑛慈光会栄養管理部では、「特養慈光園」・「老健ほの香」の食事を慈光園の厨房で作っています。そして、管理栄養士、栄養士が慈光園・ほの香合わせて3人と委託給食会社である(株)レオックから配属されている厨房職員12名(慈光園8人・ほの香4人)で入所者様の食事を提供しています。令和元年10月からは食べる直前に調理するクックサーブ方式から、調理後に一度チルド保存し、食べる直前に再加熱するクックチル方式へと変更になりました。それに伴い献立を一新し、季節折々の行事食などバリエーション豊かなメニューで提供しています。

クックチル

厨房の改修工事により、
調理システムが変わりました 
〜クックサーブからクックチルへ〜

令和元年、42年経過し老朽化が進んだ調理室の改修工事を行いました。

社会福祉法人美瑛慈光会は、「特養・慈光園」と「老健・ほの香」に厨房から食事を提供していますが、2つの施設に配置している栄養士が、それぞれの施設向けの献立をたて、調理業務そのものも厨房を持つ2つの施設が外部委託する形で給食業務が行われていました。2つの施設それぞれがフル装備で職員や設備を配置し、給食調理業務を行う形態でした。

しかし、その設備や体制自体を維持していくことに力を注ぐより、統合して『効率化』することを目的として、この度の改修工事に合わせて慈光園の厨房を「セントラルキッチン(集中調理施設)」とし、常に大量の料理を提供する必要のある「ほの香」の調理も一手に引き受ける事となりました。慈光園の厨房で一括調理を行い、配送先のほの香の「サテライトキッチン」では、加熱調理のみ行う体制に切り替えました。「クックチル」により、双方の献立の統一化、味の均一化、人員のスリム化等スケールメリットが多々あります。学校給食に例えると、慈光園の厨房が「給食センター」の役割を担い、慈光園・ほの香合わせて一日トータル600食の食事の提供をする事になりました。調理方法も、食べる直前に調理する「クックサーブ方式」から、調理加熱後、急速冷却し、チルド(冷蔵0~3℃)状態で保存し(5日間可能)、食事提供前に再加熱する「クックチル方式」に変更しました。「クックチル」の最大のメリットは、しっかりと温度・時間管理しているため、5日間の賞味期限が認められており、作り置きができるという事です。煮物等は、当日調理のクックサーブよりクックチルの方が、味がよくしみ込むため、「大変美味しい」と好評を得ています。

クックチル図

  • 中黒キッチンのあるリビングにてお食事をしていただきます。
  • 中黒御飯はユニットで炊き、おかずは職員が目の前で盛付します。食事の時間が近くなると御飯の炊けるいい香りが漂います。
  • 中黒厨房は「大量調理施設衛生管理マニュアル」に沿って、調理員の動線も考慮した設計になっており、厨房内は、広くそして明るく、冷暖房の設備も整え調理員が働きやすい環境になっています。そして、「クックサーブ」の当日調理、当日提供の、時間に追われる作業から解放され、ゆとりをもって調理業務に携わっています。
  • 中黒令和2年2月からは、1日に2日分のクックチルでの調理作業を週に2日設けて業務を行っています。土曜・日曜日は、当日提供する食事の再加熱調理のみで、調理作業は一切ありません。
  • 中黒今後は、『クックチルシステム』のさらなる安定化と安全性の構築を目指し、入所者により安全・安心・満足していだける食事の提供に努めてまいります。

嚥下困難食

①プリン食

嚥下(飲み込み)困難な入所者向けの食事として当ホームでは平成8年よりプリン食を提供しています。当ホームのプリン食とは、普通食をさらにミキサーにかけトロトロにした後、固形化補助剤を加えプリン状に再度成形し直した料理です。口の中でバラつかず、まとまりがあるため、むせたりせず食べやすいと好評です。

形状も普通食と同じようにし、食べたい意欲を援助することを大切に、ひと手間かけたり、トッピングなどの色合いや味、香りに配慮して提供しております。

プリン食イメージ

②軟菜食

年をとると他の様々な機能と同様に、噛む力や飲み込む力も低下します。そういった高齢者に一般的に提供されるのが、キザミ食もしくは極キザミ食(キザミ食よりもまだ細かい食事)でした。キザミ食は調理した料理をフードカッターもしくは包丁などで細かく刻んだものです。また、キザミ食はメニューを見なければ、もとの食材が何かもわかりません。入所者にとって食事は大きな楽しみなのに、もとの料理の原形を失ったものでは、食べる楽しみを奪ってしまうようなものです。そして、「食べやすくて安全だから」という理由で多くの施設で日常的に出されているキザミ食が誤嚥(食物が気管に入ってしまうこと)を起こしやすく、それが誤嚥性肺炎にもつながります。

当ホームの食事は、軟らかく調理していますが、中には食べられない方がおりましたので、キザミ食に替わる形態として軟菜食(赤ちゃんの離乳食のように軟らかく作った食事)を提供しております。

軟菜食イメージ

③ソフト食

『ソフト食』という形態の食事を提唱している介護老人保健施設≪ひむか苑≫の黒田留美子さん。

『ソフト食』には、基本となる三つの定義があります。舌で押しつぶせる程度の固さであること。すでに食塊となっているような形のもの。すべりがよく、口の中から咽喉、食道、胃へと移送されやすいもの。この三つを満たした食事が高齢者ソフト食です。

当ホームでも、平成17年より黒田留美子さんのレシピを取り入れ、安全で、かつ、見た目に美しく、味もおいしい料理を提供しております。

ソフト食イメージ

食事風景・季節に合わせた献立

食事風景

キッチンのあるリビングにてお食事をしていただきます。御飯はユニットで炊き、おかずは職員が目の前で盛付します。食事の時間が近くなると御飯の炊けるいい香りが漂います。

お年寄りの笑顔は、私たちも笑顔にしてくれます。食を通して、たくさんの笑顔が見られることを願って、取り組んでいきます。

ミールラウンド

"ミールラウンド" とは、口に溜め込んでしまう方やむせる方等食事をする上で問題がある利用者様の食事の観察のことです。当施設では、歯科医師、看護師、生活相談員、介護職員、理学療法士、管理栄養士がメンバーとなり、食事摂取状況を観察します。その後各職種より意見を出し合い、要因分析と今後のケア方法について検討し、よりよいケアへと繋げます。

要望があれば特養だけではなく、他事業所でも行います。

ミールラウンドイメージ